映画「アバター(20世紀フォックス,2009)」が興行収入の世界記録を樹立し、わが国でも立体視映像(3D)対応のスクリーンが急増した2010年は、「3D元年」と呼ばれています。3D元年は、映画に加えて、主要なメーカ各社によって3Dに対応したテレビやゲーム機が次々と市販されたことから、ユーザへの影響に対する社会的な関心が、顕在化した年でもあります。換言すれば、3Dの人間工学研究のニーズが高まった年といえるでしょう。
3D元年を迎え、映画を中心とした急速かつ世界的な拡大に伴い、3Dの人間工学研究にも新たなアプローチが求められるようになってきました。実際の利活用を想定した知見へのニーズの高まりに対して、3Dの長時間・長期間の観察による影響や、年齢層といったユーザの属性との関連など、未知な点は多く残されています。
そこで日本人間工学会では、3Dの人間工学研究の事例や知見の共有を目的として、2010年度より3D人間工学研究部会が設立されました。本研究部会の設立発起人は、以下の6名です。
部会長 | 河合 隆史(早稲田大学 理工学術院・教授) |
| 斉藤 進 (労働科学研究所・理事,日本人間工学会・前理事長) |
| 畑田 豊彦(東京眼鏡専門学校・校長,東京工芸大学・名誉教授) |
| 岩崎 常人(産業医科大学 眼科学教室・講師) |
| 井上 哲理(神奈川工科大学 情報学部・教授) |
| 盛川 浩志(青山学院大学 理工学部・助教) |