第4回 「センサビスの3Dクラスルーム その3」
 センサビスのウェブ上で公開されている資料「3D教育の将来(The Future of 3D Education)」から、今回は、学校の授業に3Dを使ったケーススタディを紹介します。

ライフ・プロジェクト(LiFE Project: Learning in Future Education Project)


バムフォード教授
教育者/研究者
 バムフォード教授(ロンドン芸術大学)によるライフ・プロジェクトは、教育における3Dの活用の国際的な取り組みであり、興味深い結果を示しています。このプロジェクトは、欧州の7ヶ国(イギリス、スウェーデン、イタリア、フランス、ドイツ、オランダ、トルコ)にある15校で行われ、10歳から13歳の700名以上の生徒が3Dを使った授業に参加しました。プロジェクトに参加した学校は、公立や私立などと多岐に渡ります。結果から、全ての学校において学習の効果や生徒の前向きな姿勢が見られたことは予想以上であったと、バムフォード教授は述べています。

3Dクラスルームの効果

 ライフ・プロジェクトの結果では、3Dの利用によってテストの得点が上昇したことが報告されています。具体的には、授業前と授業後に行ったテストを比較したところ、2Dの教材を用いたクラスでは52%の生徒の得点が上昇したのに対して、3Dの教材を用いたクラスでは86%の生徒に上昇がみられました。また、上昇した得点の平均は、2Dの教材を用いたクラスで8%、3Dの教材を用いたクラスで17%でした。さらに、3Dの教材がとても印象的であったため、2Dの教材を用いたクラスの生徒は、3Dの教材での学習を強く希望したということです。

3D学習による質の向上

 ライフ・プロジェクトでは、テストの得点の上昇だけでなく、3Dの活用が質的にも積極的な影響を与えることが分かりました。プロジェクトに参加した全ての教員が、授業で3Dを使うことにより、生徒が学習内容を理解しやすくなったと回答しています。また、3Dで学習した生徒には、理解度や集中力、学習意欲などの点で、向上がみられたと話しています。例えば、授業で3Dを使っているときは、平均で92%の生徒が集中していましたが、3Dを使っていないときは46%の生徒だけでした。

柴田先生のコメント

 参加者が多く、定量的な結果が紹介されている点で、非常に興味深い事例です。また、このようなプロジェクトを通して、児童生徒に実際に教育を行っている教員に、3Dのメリットを知っていただくことも大きな意義であると思います。

【関連サイト】
[1] センサビス, http://sensavis.com/
[2] 3Dクラスルーム, http://www.the3dclassroom.com/
[3] ライフ・プロジェクトの報告書,
  Evaluation-of-Innovation-in-Learning-using-emerging-technologies-by-Prof-Anne-Bamford-2011.pdf