第5回 「センサビスの3Dクラスルーム その4」
 センサビスのウェブ上で公開されている資料「3D教育の将来(The Future of 3D Education)」から、今回は、「3D教育を成功させるためには何が必要なのか」というトピックを紹介します。

3D教育の効果と期待

 欧州のライフ・プロジェクトをはじめ、世界中で3Dを教育に活用する取り組みが始まっています。授業で3Dを活用することは、生徒の学習への集中度や理解度を高めることに加えて、生徒の教室での振る舞いや注意力の持続、学習に対する意欲の向上につながります。それでは、多くの期待が持たれる3D教育を進めるために、どんな課題を解決する必要があるのかをみてみましょう。

3D教育を導入する際の5つの課題と現状

(1) コストと予算
 多くの学校にとって予算は最も考慮すべきことの一つですが、例えば米国では、将来的な教育を支援する助成プログラムを利用して3Dを導入するということもあります。また、教室で3Dを利用するための費用はここ数年で大幅に下がっており、3Dを導入しやすくなっています。
(2) 3D教材
 学校にとっての心配事は、購入した3D教材がどのくらい役に立ち、どのくらいの頻度で使えるのかということかもしれません。これまでは3D教材があまりありませんでしたが、現在では、様々な学習単元の教材が利用できるようになっています。
(3) 母国語でない言語
 英語を母国語としない国では、英語による教材であることは懸念事項になるかもしれません。しかし、3D教材を用いる際、教員が適切に説明すればあまり問題にはなりません。また、例えば科学の授業を、英語教員と一緒に授業を行うことで、英語の学習もすることができます。
(4) 授業での活用のしかた
 3Dをどのように使えば良いのかというのも課題の一つですが、これまでの授業方法を変えることなく、素早く簡単に3D教材を授業に取り入れることができます。また、教員が教育ツールとして3Dの利用に慣れてくれば、より良い新しい授業計画を考えることもできるでしょう。
(5) 新しい技術に対する教員の対応
 3Dという新しい技術の利用に不安を持つ教員もいるかもしれません。しかし、ライフ・プロジェクトの事例は、教員が3Dを使うことは難しくないことを示しています。多くの教員は新技術の可能性に興味を示し、最初は新技術を使うことに自信がなかった教員もすぐに使い方を習得します。


柴田先生のコメント

 教育で3Dを活用する上で重要なのは、凹凸や奥行きが分かりやすくなるという3Dの機能性を活かせる学習内容に用いるということです。それにより、学習効果を高めることができます。学校に3Dが導入されることで、教員による“3Dの教材開発”が行われ、事例が蓄積されることにより、3D教材の質も量も向上していくと期待されます。

【関連サイト】
[1] センサビス, http://sensavis.com/
[2] 3Dクラスルーム, http://www.the3dclassroom.com/